自己実現に向かって
自分が何のためにどこへ向かって生きているか、という事を真剣に考えてみる。
「マズローの欲求階層説」をご存知だろうか。
誰しも聞いた事はあると思うが、かつての人間心理学で主流であった精神分析と行動主義とは異なる「第3の勢力」として主体性、創造性、自己実現、成長促進といった人間の肯定的側面を強調した人間観に基づく心理学理論である。
生理的欲求→生命を維持したいという欲求
安全の欲求→安心できる生活空間の保証
社会的欲求→誰かに認められたい
自尊欲求→自分を高めていく
自己実現の欲求→自分が大切とするものの発見。価値ある存在の認識。
人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物なのである。
つまり本当の意味での幸せとは、自己実現を果たす事だと思う。
自己実現に向かって成長する為には、自分が今どの欲求階層にいるのかを把握している事が望ましいのだが、基本的にほとんどの人は欲求階層を特に意識していない。まず、それぞれの欲求階層を少し掘り下げたいと思う。
この5段階の欲求は性質ごとにグループ分けされている。
1と2は物資的欲求と呼ばれ、喉が乾いたら飲み物を飲んだり(生理的欲求)、安定した生活を送る事が出来る居場所を求めたり(安全の欲求)、といったように生命維持に必要な物資を求め、欲を満たしている。
3〜5は精神的欲求とされ、分かり合える仲間を探したり(社会的欲求)、自分自身の存在意義を見出せるか(自尊欲求)といった人の気持ちや心の満足度に関わる欲求である。
また別の分類分けでは、1〜4を欠乏欲求と呼び、自分の不足しているものを埋めようとする欲求とされ、5を成長欲求と呼び、終わりのない目標へ向かうことで欠乏感を癒している。
このように人は無意識に自分の欲を満たす為の行動をとって生きているのである。
この欲求階層のステージを上がるスピードは生きてきた環境や、その人の価値観などによって大きく異なる。中には若くして自己実現を果たして、更にその上の第6の階層と呼ばれている「自己超越」に到達している人もいる。
自分が何を求めているのか分からない時は、マズローの法則従って書き出してみると良い。様々な場面で応用する事ができ、自己成長に大いに役に立つ。
一つ一つの階層にも下位から上位の部分があり、一段昇るのも苦労するかもしれないが、コツコツと目の前の課題をクリアしていく事で確実に成長に繋がり、自分自身の為になっていると私は思う。
自分もこの1年の人生転機にて多少なりとも意識した心理学理論である。